テヘランから南に約120kmの位置にあり、人口はおよそ780,000人。シーア派の聖地の一つです。イスラム共和国体制のもとでコムは革命を主導してきた宗教保守派の牙城となっており、イラン国内政治における重要性は首都テヘランに並びます。この敬虔なイスラム教徒の街で絨毯づくりが始まったのは、1930年頃のことです。1960年代に入り、部分的に絹を使った絨毯が表れ、やがてオールシルクの製品が作られるようになって、コムの人気はヨーロッパでも急上昇しました。新興の産地であるため、そのデザインも斬新なものがあり、意欲的な工房が多く、シルクの風合いを生かした華麗な絨毯が数多く作られています。